元船長が教える、アコウ(キジハタ)の釣り方|瀬戸内の釣れる場所・仕掛け・餌まで実戦ガイド

釣り

アコウ(キジハタ)の釣り方を瀬戸内の実戦目線でまとめました。
本記事では「釣れる場所の見つけ方」「船釣り仕掛けとタックル」「餌・ワームの使い分け」「誘いと根掛かり回避」を一気通貫で解説。
初心者でも再現しやすいよう、具体的な水深・潮・操作テンポまで数値で示します。

元船長のひと言:アイキャッチのアコウは、現場で「こんな大きいの初めて見た」と言われた一尾。実測していませんが60cm超え級の迫力でした。瀬戸内でアコウが増えてきたのは、数年前からの稚魚放流の効果も大きいと感じます。今では強い引きで釣り人を楽しませてくれる存在になりました。


アコウが釣れる場所の見つけ方

狙い目は「根の肩(ブレイク外側)」「沈み瀬まわりの砂地」「テトラ・漁礁の外側」。外周の砂地〜砂利にアコウが回遊してきます。
魚探では、硬い返り→軟らかい返りの境目にベイト反応が重なる“線”をチェック。ここを角度を変えて複数回通すのがコツです。

  • 水深目安:瀬戸内は30〜60mが中心。
  • 時合:下げ止まり〜上げ始めに切り替わる30〜60分で反応が連発しやすい。
  • 風×潮:同調ならドリフト、逆なら短い誘い+重めシンカーで姿勢安定。

現場メモ:姫島周辺の大きな漁礁でベイト反応の真上に船を通すと高確率でヒット。一人に来ると隣にも続くことが多く、群れで付いている印象です。


アコウの船釣り 仕掛けとタックル

タックル(ロッド・リール・ライン)

  • ロッド:ライトゲーム7ft前後 or 船短竿1.8〜2.1m、ML〜M、しなやかな穂先。
  • リール:小型ベイト or 小型電動(カウンター付きが便利)。
  • ライン:PE0.8〜1.2号+ショックリーダーフロロ16〜20lb(4〜5号)。

仕掛け図と重さ目安

根回りはテキサス/フリリグ/キャロでボトムを切りながら通すのが基本。
シンカーは7g→14g→21gの順で調整(風・潮で可変)。
ワーム3〜4inch、ジグヘッドは7〜14gでスタート。

  • フック:オフセット#1/0〜#2/0(根掛かり回避)
  • カラー:濁り=チャート/オレンジ、クリア=グリーン/ブラウン、夕まずめ=赤系/ブラック
  • エサ併用:イソメ/エビ短冊をトレーラーにして“匂い+波動”を足すと渋い日でも強い

私の鉄板:状況が合えばタイラバと、メタルジグはジガロー80〜150gを主力に使います。


餌とルアーの使い分け

活性が低い日は匂いの強いエサ、またはワーム+エサのハイブリッドが効きます。
活性が上がった時はワーム単体+早めのサーチで広く探るとサイズが伸びやすい。

  • 餌:エビ・サバ皮・イカ短冊(小さめ=吸い込みUP)
  • ワーム:ホッグ/クロー/シャッド3〜4inch(濁りと光量でカラー選択)

誘い方とアタリの見極め

ボトムコンタクトの作り方

「着底 → 20〜40cm持ち上げ → 1〜2秒止め → 30〜50cm前進」を繰り返す。根に当たる直前で止めるとヒットが多い。
フォールで食わせる時はテンションフォールで姿勢を安定させ、違和感は一拍送り込んでからスイープに合わせます。
※テンションフォールとは、糸を張ったまま落とす方法で、ルアー姿勢を安定させながら落とす技法。
スイープとは、竿を大きくゆっくり横に引いて合わせる動作で、魚の口切れを防ぎます。

根掛かり回避とドラグ設定

  • 根に当たったらその場で跳ねずに一歩前へ(ズル引きで外す)。
  • ドラグは実測1.0〜1.5kg程度(PE1号想定)。突っ込み時はロッドでいなす。
  • フックは常に鋭く。鈍れば即交換でバラシ激減。

現場コツ:「コツコツ」という違和感が続く時はそのレンジが根。いったん底を切って少し巻き上げ、安全レンジを確保すると根掛かりが激減します。


瀬戸内の実績エリア(姫島・祝島・伊予灘)

  • 姫島:沈み瀬の外側砂地を斜めに切って通す。時合前は軽めでゆっくり、時合は重めで速めに。
  • 祝島:等深線が詰まる“肩”でベイト+底質変化が重なる線を複数角度で。
  • 伊予灘:航路脇の段差にベイトが寄る日がある。アップクロスでドリフトさせると食わせやすい。
    ※アップクロスとは、潮の流れに対して少し上流(潮上)方向へ斜めに投げること。
    そのままドリフト=流れに乗せて自然に流すことで、ルアーが自然に見え、アコウが違和感なく食ってきます。

元船長メモ:姫島周辺は潮に乗せた展開がハマりやすい海。午前の早い時間帯にヒットが集中しやすいので、良線は先に叩いておきます。


よくある質問(FAQ)

最盛期はいつ?
瀬戸内は初夏〜秋がメイン。水温が上がると浅場(30〜50m)にも差してきます。
どのくらいの水深を狙う?
目安は30〜50m。風・潮が強い日はヘッドを重くして姿勢優先。
餌とワームどちらが良い?
渋い日は餌、活性が出たらワームでサーチ。ハイブリッドが最も失敗しにくいです。

まとめ

補足:「根の肩 × ベイト × 潮の窓」とは、アコウを釣るうえで重要な3つの条件を意味します。

  • 根の肩:岩礁や漁礁の“かけ上がり”や“段差の縁”。アコウが身を潜め、獲物を待つ場所です。
  • ベイト:小魚やエビ・カニなどのエサとなる生き物。魚探でベイト反応が重なって見える場所は狙い目。
  • 潮の窓:潮が動き始める・止まる前など、流れが安定して魚の食いが立つ短い時間帯。

この3つが重なった時こそが、アコウが積極的にエサを追う最高のタイミングです。
「地形・エサ・潮のタイミング」を意識すれば、再現性のある釣りができます。

アコウは「根の肩 × ベイト × 潮の窓」を正確に通せば再現性が高い魚。
重さ・カラー・通す角度を小刻みに変え、3投ワンセットで組み立ててください。
“ドン”と止まる重量感は格別──次の釣行でぜひ体験を。

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