宇宙の膨張とは?なぜ広がり続けるのかを図解イメージでやさしく紹介
「宇宙は膨張している」と聞くと、ちょっと不思議な感じがしませんか?
「どこかで爆発して、そこからガスが飛び散っているみたいなこと?」「膨張しているなら、宇宙の外側には何があるの?」と、次々に疑問が出てきます。
この記事では、宇宙の膨張とは何か、なぜ膨張し続けているのか、そして私たちの銀河や星にどんな影響があるのかを、できるだけ専門用語を減らして、会話するような感覚で解説していきます。
「難しい数式はちょっと…」という方でも大丈夫です。宇宙の話は、イメージでつかむだけでも十分おもしろくなります。一緒にゆっくり見ていきましょう。
宇宙の膨張、そもそも「膨張している」とはどういう状態?
まず最初に、「宇宙が膨張している」という言葉のイメージを揃えましょう。
よくある誤解は、「宇宙の中にある星や銀河が、何かに向かって飛び散っている」と思ってしまうパターンです。
実際には、そうではありません。正しくは、「星や銀河のあいだの“空間そのもの”が伸びている」というイメージです。
宇宙の膨張=星がものすごいスピードで飛んでいる、ではなく、星と星のあいだの「距離のものさし」そのものが伸びている、と考えるとイメージしやすくなります。
宇宙の膨張、「風船の例え」がよく使われる理由
宇宙の膨張を説明するとき、よく出てくるのが風船の例えです。
しぼんだ風船の表面に、マジックで何個か点を描いてみてください。そのあと、風船をふくらませていくと、点と点のあいだの距離がだんだん離れていきますよね。
ここで大事なのは、点そのものが動き回っているわけではないということです。点は風船の表面にくっついたまま。
離れていっているのは風船という「面」そのものが広がっているからです。
宇宙もこれとよく似ていて、「星や銀河」が点、「宇宙空間」が風船のゴムの役割をしていると考えると、イメージがつかみやすくなります。
宇宙の膨張、なぜ空間そのものが広がっているの?
「そもそも、なんで空間が広がるの?」という疑問が出てきますよね。
ここには、ビッグバン宇宙論という考え方が登場します。
現在の宇宙論では、約138億年前、宇宙は非常に高温・高密度の状態からスタートしたと考えられています。そこから時間が経つにつれ、温度が下がりつつ、空間そのものが伸びてきた――この「伸び続けている状態」が、今も続いていると考えられているわけです。
もう少し感覚的に言うと、「宇宙のルール(物理法則)がそうなっているから」という答えになります。
地球で物を落とすと必ず下に落ちるように、宇宙全体のスケールでは、空間が広がる方向へと進んでいる、とイメージしてもらうと近いです。
宇宙の膨張、暗黒エネルギーが関係している?
さらにややこしい話として、「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」という存在が登場します。名前からして怪しいですが(笑)、正体はまだよく分かっていません。
観測の結果、宇宙の膨張はゆっくりどころか、“加速”していることが分かりました。これを説明するために、「宇宙全体に、膨張を後押しするようなエネルギーが満ちているのでは?」と考えられ、その仮の名前が暗黒エネルギーです。
詳しい正体は今も研究中ですが、「宇宙の膨張を速めている、目に見えない何か」とイメージしておくと、今の段階では十分です。
宇宙の膨張、膨張が「速くなっている」のは本当?
「膨張しているだけでも不思議なのに、速くなっているってどういうこと?」と思いますよね。
ポイントは、遠くにある銀河ほど、私たちから離れるスピードが大きく見えるという観測結果です。
これはハッブルの法則として知られていて、銀河までの距離と、その銀河が離れていく速度のあいだに、きれいな関係があることが分かっています。
その後の詳しい観測で、「昔の宇宙より、今の宇宙のほうが膨張のスピードが大きくなっている=膨張が加速している」という証拠が積み重なり、暗黒エネルギーの存在が強く疑われるようになりました。
遠い銀河から届く光は、宇宙の膨張によって「波長」が引き伸ばされ、赤っぽく変化します(赤方偏移)。どれくらい赤くなっているかを調べることで、「どれくらい離れているか」「どのくらいのスピードで離れているか」を推定できます。
宇宙の膨張、どこから膨張しているの?中心は存在する?
宇宙の膨張の話で必ず出てくる疑問が、「じゃあ、どこが宇宙の中心なの?」というものです。
ここが少し直感に反するところなのですが、現在の宇宙論では「宇宙に特別な中心はない」と考えられています。
宇宙の膨張、中心がない理由をわかりやすく説明
ふたたび風船の例えを使いましょう。風船の表面に住んでいる「平らな世界の住人」を想像してみてください。彼らには上下の感覚がなく、「風船の表面」しか世界がありません。
風船を膨らませると、どの地点から見ても、まわりの点はみんな同じように遠ざかっていきます。
彼らからすると、「自分が宇宙の中心にいるように見える」けれど、どの点に引っ越しても、同じ光景です。
宇宙もこれにとてもよく似ています。
地球から見ても、遠い銀河が四方八方に離れていくように見えますし、別の銀河から見ても「自分のまわりから宇宙が膨張している」ように見えます。
つまり、「どこか特別な場所が中心」ではなく、「どこから見ても同じように見える」――これが、現在の宇宙観の基本的なイメージです。
宇宙の膨張、星や銀河はどう影響されるの?
ここで気になるのが、「膨張しているなら、地球や私たちの体も伸びてしまうの?」という疑問です。
結論からいうと、私たちの身のまわりの世界は、宇宙の膨張の影響をほとんど受けません。
その理由はシンプルで、重力や電磁気力など、ものを引きつける力のほうが、膨張の効果よりずっと強いからです。
- 私たちの体:原子や分子がしっかり結びついているので、膨張で伸びたりしない
- 地球や太陽:重力でぎゅっとまとまっているので、サイズはほとんど変わらない
- 銀河:星たちが重力でお互いを引きつけ合っているので、銀河そのものの大きさは保たれる
宇宙の膨張が効いてくるのは、「銀河と銀河のあいだの、とても大きなスケール」の世界です。
銀河どうしが集まった「銀河団」レベルになると、長い時間をかけて距離が少しずつ広がっていきます。
宇宙の膨張、膨張が止まる未来は来るの?
最後に、「この膨張はいつか止まるのか?」という、宇宙の将来の話に触れておきます。
かつては、宇宙の膨張はだんだん遅くなり、どこかで止まるか、逆に縮みはじめるのではないかと考える研究者も多くいました。
しかし、現在の観測では膨張はむしろ加速していると考えられており、
「これからも宇宙は膨張し続ける可能性が高い」というのが主流の見方です。
もちろん、まだ分かっていないこともたくさんあります。暗黒エネルギーの正体が解明されれば、宇宙の未来予想もアップデートされるかもしれません。
宇宙の話は、ある意味で「終わりのないミステリー小説」を読んでいるような感覚に近いです。
読めば読むほど、「え、そうなるの?」という新事実が出てきて、続きを知りたくなってしまいます。
宇宙の膨張、中村天風さんの言葉から考えてみる
ここで少しだけ、中村天風さんの言葉について触れてみたいと思います。
天風さんは、「心が変われば、人生の見え方も変わる」といった趣旨の言葉をたくさん残しています。
同じ出来事でも、受け止め方が変わると、見える世界そのものが変わって感じられる――という考え方ですね。
宇宙の膨張の話も、どこかそれに通じるところがあります。
夜空を見上げるとき、「ただの小さな光の点」だと思うか、
「宇宙が膨張し続けるなかで、遠い銀河から届いた何億年分もの旅の光」だと感じるかで、同じ星空でも心への響き方が変わってきます。
宇宙の仕組みを知ることは、単に「知識を増やすこと」だけではなく、今見ている世界の感じ方を少し豊かにしてくれるのかもしれません。
宇宙の膨張、よくある疑問と簡単Q&A
最後に、この記事で触れきれなかった「よくある疑問」を、簡単なQ&A形式でまとめておきます。
Q. 宇宙の外側には何があるの?
現在の宇宙論では、「宇宙の外側」という概念そのものが、あまり意味を持たないと考えられています。
風船の表面だけが世界のすべてだとしたら、「風船の外側」は住人の世界の外の話になってしまう、というイメージに近いです。
Q. 宇宙の膨張速度は光より速くなってもいいの?
「もの」が空間の中を動くスピードには光速の制限がありますが、空間そのものが広がる速さには同じ制限がかからないと考えられています。
そのため、非常に遠い銀河は「結果として光速より速く遠ざかっているように見える」こともあります。
Q. 宇宙の膨張は、いつ始まったの?
現在のところ、ビッグバンからほどない頃にはすでに膨張が始まっていたと考えられています。
その前に何があったのか、そもそも「前」と呼べるものがあるのか――これについては、まだはっきりした答えがなく、最前線の研究テーマのひとつです。
宇宙の膨張、まとめ
ここまで、「宇宙の膨張とは何か?」をざっくりと見てきました。最後にポイントを振り返っておきます。
- 宇宙の膨張とは、星や銀河が飛び散るというより、空間そのものが伸びている状態のこと
- 膨張のスタートには、ビッグバン宇宙論が関係していると考えられている
- 観測の結果、膨張はむしろ加速していることが分かり、その背景に暗黒エネルギーがあると考えられている
- 宇宙には特別な中心はなく、どこから見ても「自分のまわりから膨張している」ように見える
- 私たちの体や地球・太陽は、重力などの力でまとまっているため、膨張の影響をほとんど受けない
- 宇宙の未来については、今のところ膨張し続ける可能性が高いと考えられているが、まだ分からないことも多い
夜空を見上げるとき、「あの光の向こう側でも、宇宙は今も膨張し続けているんだな」と少しだけ意識してみると、いつもの星がちょっと違って見えてくるかもしれません。
もしこの記事で宇宙の膨張に少しでも興味が湧いたら、「宇宙の果て」「宇宙の大きさ」「ビッグバン」など、関連するテーマもぜひ一緒に楽しんでみてください。

